お節料理を囲む時間は日本の大切な文化のひとつ。
実は、お節料理は単なる縁起物ではなく、冬の体を守り、一年の体調の土台を整えてくれる「薬膳」そのものだということをご存じでしょうか?
お節料理に使われる食材には、体を温める・巡らせる・元気を補うといった働きがギュッと詰まっています。今回は、薬膳の視点から、お節に隠された健康効果と、より効果を高める食べ方を看護師で薬膳師の薬膳ナースけいこがお伝えします。
代表的なお節料理の薬膳パワー
黒豆
黒豆は、薬膳では五臓の「腎」を補う代表的な食材。
腎は、老化やホルモンバランス、足腰の力を司るとされ、40代以降の女性が特に弱りやすい部分です。
黒豆には、疲労回復、髪や肌のツヤUP、むくみ改善などの力が期待できます。 年末の疲れが残りやすいお正月にこそ、黒豆は体の底力を支えてくれる存在なのです。
黒豆茶として飲むと手軽ですし、 炒った黒豆は小腹がすいたときの間食にもなります。
栗きんとん
栗は薬膳では「脾(胃腸)を補い、気(エネルギー)を養う」とされます。
冬は胃腸が冷えやすく、消化力が落ちることで「だるい・気力が出ない」状態に陥りやすい季節なので、甘いものが食べたいときにオススメです。
栗は、エネルギー源の補給、疲れを癒したい時、足腰の冷え改善など に役立ちます。
さらに栗きんとんに使われるさつまいもも胃腸を助け、便秘対策になるんですよ。
ただし、甘さが強いので食べ過ぎは控えたいところです。 少量をゆっくり味わうことで血糖値の急上昇も防げます。
エビ
エビは薬膳では体を温め、生命力を支える「腎陽(じんよう)」を補う食材。 冷えや疲れが強い人にとっては、心強いエネルギー源です。
冬は気温差や気圧変動で自律神経が乱れやすく、「やる気が出ない」「朝から動けない」人が増えますが、そんなときにエビはおすすめ。
温かい汁物にすることで、消化にも負担がかかりにくいので お雑煮の具にするのも良いですね。
田作り
カタクチイワシを使う田作りは、薬膳では「気血を補う」食材です。鉄・カルシウム・タンパク質が豊富で、女性に不足しがちな栄養をしっかり補ってくれます。
冷え性の改善に繋がったり、貧血予防や疲れにくい体づくりを手伝ってくれたりします。小魚を丸ごと食べられるため、骨の丈夫さを保ちたい女性にも最適です。
甘い味付けが苦手な人は、ごまを多めにふりかけたり、少量を副菜として取り入れたりするとよいでしょう。
お節をもっと健康的に食べるコツ
お節は「縁起物」としてだけでなく、冬の体を整える役割も果たします。ここでは、薬膳的に効果を高める食べ方を紹介します。
温かい汁物と一緒に食べる
お節は冷たい状態で食べることが多いため、胃が冷えるリスクがあります。温かいお雑煮や白湯を一緒に取るだけで、胃腸がグッとラクになりますよ。
甘いもの(栗きんとん・黒豆)は「最初のひと口」にしない
甘いものを最初に食べて血糖値が急上昇すると、眠気・だるさが強くなる原因になります。
野菜→タンパク質→甘いものの順にすると、血糖値の急上昇とともに正月太りも防げますよ。
食べ過ぎた日は「生姜湯・白湯・七草粥」でリセット
食べ過ぎたり、胃腸が冷えたりすると全身の巡りが鈍くなります。消化の良い、温かいものを腹八分目に食べて休ませることで、疲れが取れやすくなります。
お節料理の食材には、忙しかった年末の疲れを癒し、これから一年を健やかに過ごすための知恵が詰まっています。
今年は「縁起」だけでなく「健康」の視点でも、お節を味わってみてくださいね。
■執筆/薬膳ナースけいこ
大人女子が疲れにくい体と心で生きていくために東洋医学、西洋医学、脳と心の仕組みを使った暮らしに溶け込む健康習慣を発信。看護師、薬膳師として25年以上の実践経験を持つ令和元年生まれの息子を子育て中のママでもある。
Instagramは@keiko89zen
編集/サンキュ!編集部